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えぞ
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男性
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1978/06/23
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SE
趣味:
いろいろ
自己紹介:
頭を使うことを比較的好むが、難しいことは不得手。
博覧強記を目指すが、底は浅い。
凝り性な反面、飽きっぽい。
ゲーム好きで、ギャンブル嫌い。
座右の銘
「なるようになる」
「明日できることは今日しない」
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刊行当初から気にはなっていた『アイのものがたり』だったがなかなか本屋で見つからず、結局年を越して手に入れることができた。小説として面白かったことに加えて、バラバラに発表された短編を、それぞれの話の合間に挟んだブリッジと1つの書き下ろしとで全体を見事に調和せしめた構成力はすごいものだ。もっともそれを成しえたのは全ての作品の根底にあるテーマに共通部分があるからであり、それは『神は沈黙せず』から受け継がれているものでもある。

そのテーマとは、「物語には、力がある」ということ。
端的に言ってしまえば、僕たちの周りにある小説や、漫画や、映画や、ゲームなどは、ノンフィクションやドキュメンタリーというジャンルを除けばすべて「嘘」である。いや、ノンフィクションと言われているものも少なくとも一人の目を見て書かれたものであり、若干の「嘘」はまぎれているだろう。そう考えると全ての創作物は「嘘」だと言っても過言ではないのかもしれない。でも、本当の話だから、あるいは本当の話でないから、なんだっていうのだろう。僕たちがそれを見て喜び、感動し、考えさせられ、あるいは気づいたりすることにはかわりがない。それは、ただの現実逃避以上の力を持っているのだ。
しかし、そういったことが理解できない人にとっては「現実から目をそらして、絵空事にうつつを抜かしている」としか見えない。時にはそれが具体的な声となって湧き出てくることもある。2年程前に話題になった「ゲーム脳」の一件など、それ自体科学的な根拠が明確に示されていなかったにも関わらず一時期あれほど受け入れられたのは顕著な例だろう。
この本では現実とは違うレイヤーのもの(それはインターネットであったり、バーチャルリアリティの世界であったり、人口知能であったりする)が描かれ、そしてそれによって現実世界の人物が救われたり、勇気を得たりする姿が描かれる。単なる絵空事という言葉では片付かないんだということを再三語りかけてくるのだ。

タイトルに相違して、この作品集には男女間の恋愛感情はほとんど出てこない。しかし、この作品集は「アイ」の物語であることは間違いない。そしてこれは全ての嘘を信じる者に捧げる福音の書である。ぜひご一読を。

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無題
森羅万象に言えることかも知れないけど、あんまり存在意義とか存在理由とか、深く考えない方が精神衛生上、いいのかもね。
Sediment 2007.01.25[Thu]17:43:46 編集
Re:無題
>森羅万象に言えることかも知れないけど、あんまり存在意義とか存在理由とか、深く考えない方が精神衛生上、いいのかもね。

意味から強度へ、って感じかな? よくわからんけど。
[2007.01.30 07:03]
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