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頭を使うことを比較的好むが、難しいことは不得手。
博覧強記を目指すが、底は浅い。
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ゲーム好きで、ギャンブル嫌い。
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サイモン・シンの最新作。
もちろん今日が七夕であることを計算して読了した。

こんな人にオススメ。
・数式はよく分からないけど、宇宙のしくみについて知りたい人。
・地球が回っていることや、宇宙には始まりがあるということに納得がいかない人。子どもの頃に「太陽が熱いっていうけど、お前触って見たんか」とか言ったことがある人。
・むしろ、そんなことを一度も考えたことすらない人。

以下、個人的な感想。

大いに期待して読んだが、期待を裏切らず、読みやすくてかつ興味深い話も多く、それこそあっという間に読みきった。
しかし、僕向けではないな、という印象も強く感じた。
前作『暗号解読』は文句なしでオールタイムベスト3に入る傑作だっただけに、個人的には残念である。

どういう点が僕向けではなかったか、端的に言うと中に出てくる研究内容を、ほぼ何もかも知っているということだ。だから、新しい知識を目の当たりにしたときに得られる知的興奮に至らなかったのだと思う。
『暗号』では、話には聞いていたが実態はよく分かっていなかった、量子暗号やエニグマ暗号などについて、まさに的を射た表現で読ませてくれた。
しかし、今回書かれた範囲がビッグバン理論が確立するまでであったために、それこそ教科書や読み物で何度も聞いたことのある話ばかりだった。そればかりか相対性理論や、ラザフォードの実験など明らかに(僕にとっては)余分な回り道をしているところも歯がゆかった。

だがサイモン・シンの素晴らしいところは、教科書のように必要な事実だけを書き連ねるのではなく、そのとき当事者がどういった状況に置かれていたか、何を考えていたかを興味深いエピソードを交えて丁寧に描写するところにある。それによって、読み手もあたかもその時その場所にいたかのように、活き活きとした作品世界に入り込むことができる。
本作においてもその点は変わっておらず、当然起こりうる人間同士のすれ違いや、とんでもない偶然のめぐり合わせなどが面白く、しかも簡潔に描かれている。
特に面白いのが科学者たちのプライドの高さ。本書では地動説vs天動説、ニュートン力学vsアインシュタイン力学、定常宇宙説vsビッグバン宇宙説など、さまざまな科学論争が双方の立場から描かれているが、自説が覆されようとしている方の、むりやりなあがきなどは、見ていて滑稽で、かつ悲しい。

いろいろ書いてきたけれど、この本の裏テーマである「科学とはなにか、科学的であるとはなにか」ということをこれだけ真正面から捉えた本はほかに無い。
科学の歴史は、常識との闘争の歴史でもある。時には罵倒され、時には嘲笑されながらも、科学的に妥当な答えを模索する姿は崇高なものだ。僕たちの周りにある科学技術は、そういった人たちの努力と勇気のおかげであることを、忘れてはいけないのだと思う。そのためにも、この本はいつも隣においておこう。

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